戦略コンサルC氏のケース

PE/VC

プロフィール

  • 氏名:佐藤 翔(仮名)
  • 年齢:31歳
  • 経歴
    • 大手戦略コンサルティングファーム(7年間勤務)
    • → 国内PEファンド(プライベート・エクイティ)に転職
  • 専門分野:M&A戦略、事業再生、成長戦略策定

転職前の状況(戦略コンサル時代)

佐藤さんは、新卒で大手戦略コンサルティングファームに入社し、7年間にわたりM&A戦略や事業再生プロジェクトを担当。特に、クライアント企業の企業価値向上に向けた成長戦略やコスト削減プランの策定に強みを持っていた。

戦略コンサルの仕事はやりがいがあったが、「提案だけでなく、実際に企業を動かし、成長させる側に回りたい」という思いが強まり、PEファンドへの転職を決意。特に、投資先の経営に深く関与できるハンズオン型のPEファンドを志望した。


転職先の企業とポジション

  • 企業:国内大手PEファンド(運用資産規模 5000億円)
  • ポジション:インベストメント・アソシエイト
  • 業務内容
    • 投資先の選定・デューデリジェンス(DD)
    • M&A案件のエグゼキューション(契約交渉・ストラクチャリング)
    • 投資先企業の成長戦略策定・実行支援

転職後の成果と挑戦

1. 投資先の選定とM&A案件の遂行

転職後、佐藤さんはすぐにM&A案件のデューデリジェンス(財務・ビジネスDD)を担当。戦略コンサル時代に培った市場分析力や競争優位性の評価スキルを活かし、成長ポテンシャルの高い企業を見極める役割を担った。

初の案件では、国内のBtoB SaaS企業への投資案件を主導し、業界分析・バリュエーション評価を担当。買収後の成長シナリオを描き、投資委員会での承認を得ることに成功。

2. 「提案」から「実行・経営支援」への適応

戦略コンサル時代は提案する立場だったが、PEファンドでは投資先企業の経営陣とともに事業計画を実行する必要があった。特に、経営陣との関係構築や社内政治の調整など、コンサル時代にはなかった「人を動かす」スキルが求められた。

転職直後は、経営陣との議論で「実務がわかっていない」と指摘されることもあったが、週1回の現場訪問を継続し、経営課題を深く理解することで信頼を獲得。結果として、投資先のSaaS企業のARR(年間経常収益)を20%成長させるプロジェクトを成功させた。

3. 投資先の事業再生プロジェクトを主導

2年目には、業績不振に陥っていた製造業のターンアラウンド案件を担当。財務戦略の見直しと新規事業開発を進め、経営陣とともにリストラ策やコスト削減策を実行。結果として、2年間でEBITDA(税引前利益)を40%改善し、ファンドの目標リターンを達成。


戦略コンサルからPEファンドに転職して感じた違い

項目 戦略コンサル PEファンド
仕事のスタイル クライアントへの提案 自社の投資先企業の経営支援
意思決定の関与度 提案のみ、最終決定はクライアント 投資判断・経営戦略に直接関与
業務範囲 戦略立案・分析 投資判断・M&A交渉・経営支援
成果の測り方 クライアントの満足度 投資リターン(ROI・EBITDA向上)

まとめ

佐藤さんは、戦略コンサルとして培った分析力・戦略立案力を活かしながら、PEファンドでの「投資判断」や「経営支援」に適応。最初は提案と実行のギャップに苦労したが、投資先企業との関係構築を重ねながら、実行力を磨き、最終的には投資先の成長に貢献した。

現在は、シニアアソシエイトとして、より大規模なM&A案件を担当し、キャリアアップを目指している。


💡 PEファンドへの転職を考える戦略コンサルへのアドバイス

  • 「提案だけでなく、自分で企業を成長させる」マインドが必要
  • 財務・M&Aの実務経験が重要(財務DD・バリュエーションなど)
  • 投資先企業の経営陣と信頼関係を築くスキルが求められる
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