1. はじめに
ポストコンサルとしてのキャリアの一つに、企業のCFO(最高財務責任者)としての道があります。コンサルタントとして培った戦略的思考力や財務分析スキルは、CFOとしての役割に大いに役立ちます。本記事では、ポストコンサルからCFOになるための具体的なステップと成功のポイントについて解説します。
2. CFOの役割とは?
CFOは企業の財務・経営戦略をリードし、資金調達や財務管理、M&A、投資戦略などを担当します。具体的な業務は以下の通りです。
- 資金調達・資本戦略の策定
- 財務計画・予算管理
- 経営戦略の策定と実行
- 投資家・ステークホルダー対応
- M&Aの推進
- 社内の財務・経理チームの統率
- コスト管理と利益最大化の施策立案
- 企業のガバナンスやリスクマネジメントの強化
3. ポストコンサルがCFOを目指す際のキャリアパス
ポストコンサルがCFOになるには、以下のキャリアパスが一般的です。
① 事業会社の財務・経営企画部門に転職
まずは事業会社の財務部門や経営企画部門に入り、企業の財務戦略や予算管理を学ぶ。大企業での経験を積みながらCFOを目指す方法。
主な転職先:
- 大手企業の財務部門
- 経営企画部門
- コーポレートファイナンス部門
② PEファンドや投資銀行を経由してCFOへ
PEファンドや投資銀行での経験を積み、資金調達やM&Aのスキルを磨く。その後、投資先企業のCFOとして迎えられるケースも多い。
主な転職先:
- プライベート・エクイティ(PE)ファンド
- 投資銀行(IBD)
- ベンチャーキャピタル(VC)
③ ベンチャー企業のCFO候補としてジョイン
スタートアップやベンチャー企業にCFO候補として参画するルート。経営陣と近い距離で働くことができ、迅速な意思決定が求められるため、成長機会も大きい。
主な転職先:
- スタートアップのCFO候補
- 成長企業の財務責任者
- 上場準備企業の管理部門責任者
4. CFOになるために必要なスキルと経験
① 財務・会計の知識
CFOとして不可欠なのが、財務・会計の深い知識。公認会計士やCFA(Chartered Financial Analyst)資格を取得するのも有効。
② 資金調達・M&Aの経験
企業の成長戦略には資金調達やM&Aが不可欠。これらの経験を積むことで、CFOとしての市場価値を高められる。
③ 戦略的思考とリーダーシップ
コンサル経験を活かし、経営戦略の策定・実行をリードする能力が求められる。
④ ステークホルダーとの交渉力
投資家・金融機関・取締役会との交渉力が不可欠。コンサル経験者ならではの論理的思考が役立つ。
⑤ リスクマネジメント能力
企業の財務リスクを管理し、適切なガバナンスを実施できる能力も重要。
5. CFO転職を成功させるためのポイント
① 転職のタイミングを見極める
- 事業会社での財務経験を積んだ後
- PEファンドや投資銀行での経験を得た後
- スタートアップのCFOポジションが空いたタイミング
② CFOポジションの募集情報をキャッチする
- エグゼクティブ向けの転職エージェントを活用
- VC・PEファンドとのネットワークを構築
- LinkedInなどのプロフェッショナルネットワークを活用
③ 早期にファイナンス領域に関与する
- 経営企画・財務・M&Aプロジェクトに関わる
- CFO候補としての役割を担い、実績を積む
④ 成長企業での経験を積む
特に成長フェーズの企業での財務戦略を経験することが、CFOへの近道となる。
⑤ CFOとしての資質を磨く
単なる財務責任者ではなく、事業成長を支えるリーダーとしての視点を持つことが重要。
6. CFOとして成功するためのマインドセット
CFOとして成功するためには、スキルだけでなく、経営者の視点を持ち、企業全体の成長を牽引できるマインドセットが求められます。
- CEOの右腕としての視点を持つ
- 長期的な財務戦略を策定する力を磨く
- 柔軟かつ迅速な意思決定を行う
- データドリブンな経営を推進する
- グローバルな視点での財務戦略を考える
7. まとめ
ポストコンサルからCFOになるためには、財務知識の習得、資金調達・M&Aの経験、経営戦略への関与が不可欠です。また、転職のタイミングや適切なキャリアパスを選ぶことが成功への鍵となります。
今後のキャリアの選択肢として、事業会社・PEファンド・スタートアップなどの環境を慎重に選びながら、CFOへの道を切り開いていきましょう。
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